徒然日記 〜日々出会う本や映画〜

読み終わりたくない本でした/MyベストBOOK2025

こんにちは。上杉惠理子です。

大晦日ということで、毎年恒例になったMyベストBOOKを発表!

たくさん本を読んでいるわけではないのですが、本を読むことも好き、本屋さんにいるのも好き、本を買うのも好き。本を並べて眺めているのも好き。笑

そんな本好きなので、2015年から毎年年末に本で一年を振り返るべく、マイベストBOOKを選んでいます^^ 

昨年2024年はこちらでした。

本との関係が変わったかもしれない/MyベストBOOK2024 こんにちは。上杉惠理子です。 これを書いているのは、2025年1月15日です。あけましておめでと〜♪と言っていたら、もう15日!...

ベストと言いつつ、、最近はビジネス書、小説、エッセイ…などいくつかの分野から選んでいるので複数冊になっているのでご容赦くださいませ!

ビジネス書は、集客の具体策を書き切ったこちら

まずはビジネス書部門から!

今年もいろいろ学びになる本とたくさん出会いがあったので、1冊選ぶのは迷いました〜!そんな中からこれかなと。

『生徒が辞めない、途切れない!教室ビジネス 集客の教科書』
安田元保著/すばる舎
https://www.amazon.co.jp/dp/4799113445

この本の著者 安田さんは、出版スクールのサポートをしていたときに、最後に担当させていただいたお一人。企画段階から本になるのを楽しみにしていた内容でした。

発売された7月に、マーケティングのブログにも書きましたが、もう一度ご紹介したいと思い選びました。

ビジネスをしていて一番、時間も行動力も必要な集客。安田さんと彼のクライアントさんが実践された具体策がいっぱい!ここまで具体策を書いている本はなかなかありません。

教室ビジネスが事例ですが、アナログで身近な事例なので、「うちの会社だったら?」「私の商品だったら?」と置き換えながら読めば、必ずヒントがあります。

私も定期的に読み直したい一冊です。

小説は、歴史を塗り替えたこちら

そして小説部門は、迷わずにこれ!

吉田修一著 『国宝』

映画『国宝』は邦画実写映画の興行収入第1位の記録を、20年数年ぶりに書き替えた!!ほんっとすごかった…!!

映画も素晴らしかったですが、小説もものすごく良かった。

喜久夫と俊介だけでなく、他の登場人物の人生も丁寧に描かれていたし、歌舞伎の作品解説も丁寧。講談のような語り口がすごくいい。

すごくいい読書経験でした。映画をご覧になった方には、ぜひ小説もおすすめしたい!!^^ 

池田晶子に出会った2025年

そして今年のマイベストはこれだったなぁ。

『暮らしの哲学』
池田晶子著/毎日新聞出版
https://www.amazon.co.jp/dp/4620318205/

2025年は池田晶子に出会った年として、私の中で大切に刻まれる年になりました。

池田晶子という人がどんな方かというと…

池田 晶子 (いけだ あきこ)

一九六〇年、東京生まれ。
慶應義塾大学文学部哲学科卒。文筆家。

専門用語による「哲学」ではなく、考えるとはどういうことかを日常の言葉で語る「哲学エッセイ」を確立して、多くの読者を得る。著作多数。

とくに若い人々に、本質を考えることの切実さと面白さ、生死の大切を語り続けた。

二〇〇七年二月二十三日、没。

池田晶子という人は知っていて、他の本で引用されるのを見たり、話題になっているのを聞いたりしていましたが、ちゃんと本を買って読んではいませんでした。

ふらりと寄った本屋さんにこれが一冊あって、ふと買って読み始めたら…おもしろいのなんのって!!!

春夏秋冬、そしてもう一度春、四季の暮らしの中で、生死のこと、命のこと、親子のこと、男女のこと… さまざまなテーマで本質を考え書かれた文章。池田さんは犬とお酒も大好きだったそうで、犬とお酒のエッセイもあって。すごく共通点を感じます^^ 

しかも、週刊誌「サンデー毎日」に連載していたものなので、語り口がイイ感じで軽い。

すっかりファンになりました!!

そしてこれは、癌で急逝される一年前から書かれたエッセイ。この続きがないのが寂しい、、

夜寝る前にすこーしずつ読んで、翌朝にこれはと思ったところを引用ノートに書いて… と、半年ちょっとかけて読み終えました。

読み終わりたくなくて、でも読みたくて。すこーしずつ、味わって読めた、とてもいい読書経験でした。

冬の章に、今の時期に合う、そして「うむぅ」と考えさせられる文章があったのでご紹介しますね。

人が「今年の目標」を持ちこたえたためしがないのは、「目標」が立派すぎるためではなくて、「今年」というのが不可能だからだと私は考えます。

「今年」という概念が最初から我々には不可能なんですよ。

だって考えてみて下さい。「今年」というのは、いったいどこに存在しますか。

なるほどカレンダーや手帳の中には、「今年」は明らかに存在する。十二の月、もしくは三百六十五日の日として、今年一年は存在していますよね。

だけど、今存在しているどこに今年なんてものが存在しますかね。

(不可能な今年『暮らしの哲学』池田晶子)

こんな感じで、当たり前に持っていた概念がいい感じで覆されます笑

『教養としての着物』を書き上げてから、ビジネス実用書よりも、名著と呼ばれる古典や哲学系の本を読むことが増えました。これがどう仕事に生かされるのか、まだわかりません。仕事には何も生きないかもしれない。

でも何かありそうだなぁと思う今日この頃です。

2025年も素晴らしい出会いに感謝して…

良いお年をお迎えください。

上杉惠理子