こんにちは。上杉惠理子です。
今日は私が最近ハマった小説をぜひ紹介させてくださいませ〜!
ジャジャン♪
『千代田区一番一号のラビリンス』
森達也著 現代書館
Amazonページ>> https://amzn.to/3O602Tg
千代田区一番一号は皇居の住所。
明仁さんと美智子さん二人の夫婦の会話からこの小説は始まります。
現在の上皇ご夫妻が、生前退位を公表した後、譲位する前年くらいまでのお話です。
このお話は…
あくまで小説です。
フィクションです。
ですが、公になっているおふたりの発言や公私含めた訪問先の情報をきちんと整理し、その行間を著者の想像力で埋めていく。
そして、「天皇を撮りたい」と強い思いを持つジャーナリストが、天皇制を扱うことをタブー視する業界の中で難航する姿が並行して描かれます。
ご夫妻以外にも是枝裕和、山本太郎、さかなクン…と実名で登場。
現実と想像との境界がどんどん曖昧になって、読み手の想像力も刺激される。
すごくリアリティを感じるのに、最後はファンタジー的な結末で、「そうだそうだ小説だったんだ」と確認して終わる。
天皇制って誰の何のための制度なのか?とど真面目に読むこともできるし、商業主義のマスメディア批判にも取れる。
その前に、エンターテイメントとしてめちゃくちゃおもしろい…!!
写真で見るおふたりそのまま、この小説の中でもとてもハートフル。
天皇制に疑問を持つ人でも、お二人のことが好きになる。
もともと好きな人は、もっと好きになる。
著者 森達也さんはオウム真理教信者を取材したドキュメンタリー映画『A』など、タフな社会テーマを映像や文筆で伝え続けてきたジャーナリストです。
私がこの本のことを知ったのは、森さんのTwitterでした。
しつこくて申し訳ない。でもとにかく、このままでは『A』を発表したときと同じように、誰も知らないまま消えてしまう。ひとりでも多くの人に読んでほしい
これは本が発売されて約1ヶ月後のTwitter投稿でした。
著者インタビューは掲載されても、第三者からの書評が全く出ずこのままじゃ「存在しなかった本」にされてしまうというコメントでした。
森達也さんがこんな本を書いたんだ!とこの投稿で初めて知り、これはおもしろそう!と思ってAmazonでポチッとしたのでした。
眞子さんの結婚問題などはバンバン扱うのに、真正面から皇室を書こうとしたこの小説の企画は多くの出版社に断られたそうです。
ひと昔前は「ミッチー」「みちこさん」とみんな呼んでいたのに、今はそんなことも言えない。
皇室へのタブー視がものすごい。
本の帯にも「問題小説」と書かれている。
でも読んだ感想は…
全然「問題小説」じゃないと思うけど??
すっごくおもしろい。
おもしろいし、ハートフル。
このテーマ大丈夫なのか?どこかの団体に攻撃されるのでは?と業界は萎縮しているみたいだけど、このおもしろさは確実に読者の間で広がっているようで、発売して2ヶ月で無事に重版出来とのこと!
おめでとうございます!^^
森達也さんがある対談で、本に登場された皆さん全員に献本されたと話していました。
宮内庁に皇室関連の書籍を送ると送り返されることがあるそうですが…
今回は返ってこなかったそう!!!
おふたりも読まれたのかなぁ〜と想像するだけでニヤニヤしちゃう^^
テレビの中の人であっても、その人の価値観があり、その人の心があり、その人の言葉がある。
マスメディアを通じて知ることができる天皇制や皇室とは全く違う、「人」として何を思いどう生きてこられたのか、この小説を読んで私たちが想像の幅を広げることは意味があると思います。
個人的には「2022年読んだ本ベスト3」に入る一冊!
ぜひ読んでみて♪
『千代田区一番一号のラビリンス』
森達也著 現代書館
Amazonページ>> https://amzn.to/3O602Tg
上杉惠理子
(参考)
雑誌「創」森達也氏 インタビュー
https://news.yahoo.co.jp/articles/01b927a29c3482c0585c71a6f75a1c4e74e10a55?page=1
8bit News 森達也監督×堀潤【対談】
https://youtu.be/Grdz5DmZI3c
(小説については47分あたりから)
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