こんにちは。上杉惠理子です。
2023年10月後半は、名古屋、青梅、奄美となぜこうなったんだろう、、珍しく旅三昧な一週間を過ごしました。
今日はその移動の合間に読んだ小説のことをシェアさせてください。
小川糸『とわの庭』新潮社文庫
https://www.amazon.co.jp/dp/410138343X
新聞や雑誌などの連載物ではなく書き下ろしの長編小説。令和2年10月に単行本が出て、今年7月に文庫本になりました。私が読んだのは文庫本です。
今年2023年の春に、同じく小川糸さんの長編小説『ライオンのおやつ』を読み、メルマガとこのブログでご紹介しました。
小川糸さんはデビュー作『食堂かたつむり』が有名ですが、その後の作品どれも素敵で、長編小説はほぼ全部読んでいます。
この方は本当にすごくて…毎回、テーマというかお話の舞台が変わるのです。
食堂、アンティーク着物店、助産院、鳥の保護施設、文具店、ホスピス…
取材力というか想像力というか、毎回びっくり!圧倒されます。
そしてどの場であっても、日常の風景や人々のちょっとした気持ちを、五感それぞれに響く丁寧な文章で綴ってくれる。
もちろん悲しみや苦しみのシーンもあるけれど、毎回読み終わると、生きるっていいなぁと幸せな気持ちになる。
私にとっては、安心して楽しみながら読める作家さんです。
なので今回の『とわの庭』も「小川糸さんの新作が文庫になってる〜♪」と本屋さん(有隣堂♪)で見つけて軽い気持ちで買いました。
背表紙のあらすじも読まずにレジに行き、カバーをかけてもらい、今回の旅のカバンに入れておきました。
はじめに的なくだりの後、物語はこんな文章から始まります。
わたしは、目が見えない。生まれた時は、かすかに見えていたのかもしれないけれど、この目でちゃんとした光を感じたこと記憶はない。
p.7
主人公の とわ は、物心ついたときから目が見えない。
今回は盲目の女の子のお話なんだな、また今回も全然違うテーマだなぁと思って読み始めたら…
小川作品初のサスペンスなのか、ホラーなのか!?
前半の最後はもう、ひとりでドキドキおろおろ…!!!乗り換えの駅で挙動不審になっていたかと笑
『とわの庭』には盲目の人の生き方以外に、さらに別の社会的・人間的な問いが複数、埋め込まれていたのです…!!!
これはもうぜひお読みいただきたいので、ここまで、わたしの衝撃感だけにしておきます笑ここまででピンときたら、ぜひお読みになってください。
アマゾンのあらすじも、背表紙のあらすじも何も読まず、ぜひ読み始めてほしい…!!
私がこの本から受け取ったのは…
清濁混合でも、愛は愛なんだ ということ
人はこうして自由を手放し、再び手にするんだ ということ
今を生きるってこういう感じか ということ
…でしょうか。
小川糸さん… やばいな、、
どーしたらこんな作品が書けるんだろう、、、すごすぎる。。
中途半端で書評にも何もなってないですが、今日はこの辺で笑
上杉惠理子
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