徒然日記 〜日々出会う本や映画〜

一口ひとくちを大切に食べたくなる小説/小川糸著『ライオンのおやつ』

こんにちは。上杉惠理子です。

これを書いているのは、2023年4月27日。
私、久しぶりに昨夜は夜更かししました…しかも私には珍しくノンアルで笑

というのは、この小説を読み始めたら止まらず、、

『ライオンのおやつ』
小川糸著/ポプラ文庫

https://www.amazon.co.jp/dp/4591175065/

好きな小説家といえば、小川糸さん

小川糸さん

私の大好きな作家さんのおひとりです^^ 

10年ほど前、『食堂かたつむり』でデビューされて以来、作品の8割くらい読んでいます。

『食堂かたつむり』はまさに食のお話

『喋々喃々』は谷中で古着着物店を開いた女性のお話

『つるかめ助産院』は、南の島の助産院のお話

『リボン』は鳥たちがいっぱい出てきて

『ファミリーツリー』はLGBTQの人が家族になるお話で

『ツバキ文具店』は鎌倉で代筆屋を継いだ女性のお話で文房具がいっぱい!

小川さんの取材力がすごいのか…これだけ多岐にわたるテーマを扱えるってどういうこと!?と毎回思います。

中でも、『喋々喃々』は谷中で古着着物店を開いた女性のお話で、一年間の着物コーディネートの参考にもなるので、和創塾の推薦図書にもしています。

小川さんの作品は難しいテーマもあるのですが、読むと必ず幸せな気持ちになり、生きることが喜びになるものばかりです^^

死を真正面から扱った『ライオンのおやつ』

そして今回ハマった『ライオンのおやつ』は

余命宣告をされた女性が、瀬戸内の島のホスピスで最期を過ごすお話。 

小川さんの小説ならきっと素晴らしい読書経験になるだろうと思って購入したのですが、やっぱり素晴らしかった。。。

『ライオンのおやつ』は、ホスピスが舞台なので、死と向き合うことがテーマ。

主人公が持ち物を整理して、亡くなった後の段取りをして、人間関係も清算してホスピスにやってきます。

すごくよくわかるし、そうできるっていいなぁと最初は思うのだけど、清算したと思っているのは結構自分よがりで、そんな簡単に清算はできない。

そしてホスピスに入ってもいろいろな人と関わり、影響を与えていく。

犬と暮らしている身としては、主人公 雫と犬 六花の関係も大好きで… 涙なしでは読めず。。!

死を考えることは、決して忌み嫌うものではないというメッセージがストンと入ってきました。

死を考えることは、生きることなんだと感じて、日々が愛おしくなります^^ 

読み終わって読了感に浸り、ちょっとこの本にまつわることを調べてみたらNHKでドラマ化されているじゃないですか!!

そのままドラマまで突入!!
8話のドラマを5話まで一気見。。3時すぎて、流石に寝ました笑

ドラマと原作は大事な設定がちょいちょい違うので、両方それぞれ楽しみたいと思います^^  

作品に出てくるあのお料理に挑戦♪

『ライオンのおやつ』では、食べ物のお話もたくさん出てきます。中でも私が気になったのは、ホスピス「ライオンの家」で毎朝ゲストに振る舞われるお粥。

主人公 雫は、病院でのお粥が食べられなかったのですが、ライオンの家にきて最初の朝に小豆粥を食べてこれまでのお粥観がひっくり返ります。

気がつくと私は、トッピングで味に変化をつけることも忘れて、小豆粥をむさぼっていた。食べれば食べるほど、おなかの底がぬくぬくして、乾いた大地に水が染み込む。お粥の滋養が、体の津々浦々へと行き渡っていく。

『ライオンのおやつ』ポプラ文庫 p44

食べたくなりません??

ほんっと美味しそう…❤︎

そんなに美味しく、私が作れるのか疑問ですが… 作ってみることにしました。

半合の白米をさっと洗って、お水600ccと一緒に土鍋へ。くっつかないよう少しお世話をしながら、沸騰したら弱火で40分ほど。

卵粥ができました^^ 

添えたのは、サロン創オーナー圭ちゃん手作り梅干しと、お出汁取って残った椎茸を甘辛くした佃煮。

意外とたくさんできたので、シェアメイトあややにも食べてもらいました🎵

おいしいーーー!!!

体が求めていたんだなぁと感じます。

普段、よく食べよく飲む、身体を労りきれていないと自覚はあるのですが、、、ほんっとごめん。。

お味噌汁よりも時間も手間もかかるけれど、これは至福。

お粥に感動する雫に、ライオンの家の代表 マドンナさんが、「お粥には十のいいことがある」と粥有十利(じゅうゆうじり)を教えてくれます。

粥有十利(じゅうゆうじり)

一、色艶がよくなる
一、力が出る
一、寿命が延びる
一、安らかになる
一、頭が冴えて口の中が爽やかになる
一、消化がよい
一、病気を防ぐ
一、飢えをいやす
一、乾きをいやす
一、お通じがよくなる

粥有十利の話を聴きながら、「もしも私がもっと早くお粥と出会っていたら、病気にもならなかったのかな」と雫は思います。

サプリを飲んだり、ファスティングをしたり、身体を労る方法はいろいろありますが、私にはお粥は合ってるかもしれないなと思いました^^ 次は玄米粥を炊いてみよう🎵

主人公 雫は末期癌で最後、できることがどんどん減っていきます。トイレに自分で行けなくなり、歩けなくなり、話せなくなっていく…。

それでも最後に残ったのは、食べることでした。

生きることは、食べること。

一食一食、いえ、一口ひとくち、食べることを大事にすると、人生の幸せはもっと開かれていくのかもしれません。

上杉惠理子


Warning: Trying to access array offset on value of type bool in /home/wasojuku/momonohana-hyakka.com/public_html/wp-content/themes/jin/cta.php on line 8

Warning: Trying to access array offset on value of type bool in /home/wasojuku/momonohana-hyakka.com/public_html/wp-content/themes/jin/cta.php on line 9