徒然日記 〜日々出会う本や映画〜

討論ってこういうことか/ゴツプロ 第七回公演「十二人の怒れる男」観劇レポ

こんにちは。上杉惠理子です。

昨日2022年5月21日は下北沢の本多劇場に行ってきました。

「きものおたすけくらぶ」富田清実社長にお声がけいただき、ゴツプロ「十二人の怒れる男」を観劇してきました。

ゴツプロ第7回公演「十二人の怒れる男」特設サイト
https://52pro.info/12_angrymen/

きものおたすけくらぶさんは、きもの専門のクリーニング店。シミ抜きや洗い張り、お仕立てなど、大切なきもののお手入れを安心してお願いできるお店です。

昨年9月には川口の工場を見学させていただきました^^ 

富田さんは、きものラバーズたちから「とみちゃん」と呼ばれています^^ いつもニコニコ、お話も楽しくて、お仕事への情熱が素晴らしく、私も大好きな方!!

このゴツプロを主宰・出演している役者さんのお母様が富田社長の長年のお知り合いで、毎回公演には富田社長がお友達やお客さんをお誘いされているのだそうです。

さてさて。

今回の「十二人の怒れる男」はどんなお話かというと

スラム街に暮らす少年が父親を殺した容疑で起訴された。夏の暑い日、見知らぬ十二人の男たちが陪審員室に集まり審議に入る。

判決は全員一致でなければならない。

誰もが有罪を確信する中、一人の陪審員が「話し合いたい」と異議を唱える。彼は粘り強く語りかけ、少年に不利な証拠や証言の疑わしい点を一つ一つ再検証するよう、集団心理を導いていく。

劇団ゴツプロ「十二人の怒れる男」特設サイトより

法廷劇といえばこれ!というほど、有名なアメリカ映画で、いろいろな劇団で上演したりリメイク作品も多いそう。私は今回が全くの初めてでした。

舞台セットは陪審員役12名が座れる長机1卓と椅子のみ。

舞台転換無し。

12名の役者さんはは1時間50分出ずっぱり。

見事な会話劇です。

私は、踊って歌って、空飛んだり天井が降りたりする大掛かりな舞台美術のミュージカルが好き。

こうした骨太のお芝居も見たい気持ちはあるのだけど…かなりの確率で爆睡しちゃうタイプです汗

演劇部だった時代があるのに、、爆

でも今回はなんかピンときまして、行きたいですっ!とご連絡したのでした。


ところが前日、原稿の最終チェックで久しぶりに4時まで起きててすっかり寝不足。。。。

本当に途中で寝ちゃうかもしれないなぁ、、どうしようと思っていたけれど…

めちゃくちゃおもしろかった!!!

一度も意識飛ぶことなく、1時間50分舞台上での討論に引き込まれました。

12名ってなかなか人数が多く、しかも一人一人の名前は出てこないのだけど、20代から80歳近い年代が幅広く、キャラクターがはっきりしていて混乱せず。

役者さんも皆さんよくこの膨大なセリフと転換キッカケを覚えられるなぁ…!

そして1時間50分、一回も楽屋に戻ることなく演じ切るエネルギーと集中力がすごい。

会話劇のおもしろさを堪能しました^^

一晩あけて改めて

なんでこのお芝居がここまでおもしろかったのだろう

と振り返ってみました。

最初は12人のほとんどが「少年は有罪だ」「真偽は全員一致で有罪ですぐに終わるだろう」と思っているのですが

陪審員第8号が「人ひとりの命がかかっている(有罪になれば電気椅子で死刑)のだから、話し合いたい」とひとり無罪に投票するのです。 

有罪を主張する相手の意見を変えさせようとせず、

ただ「話し合いたい」と言うんですね。

ここ、大事なポイントだったんじゃないかな。

有罪派と無罪派の単純なディベート対立にせず、相手の間違いを正そうとせず「話し合いたい」

有罪か無罪か、陪審員12人どちらかで全員一致しなければ結審しないので、仕方ないから話し合いが始まります。

事実は何か、それは本当に事実なのか。

実験したり、みんなで改めて思い出して討論したり。

時折殴り合い直前まで感情的になりながら話し合いを重ねる。

途中で投票を行うと、無罪の陪審員が増えていく。

外野から見ていると「いやそれ事実じゃなくない?」と冷静に思えるシーンも何度かあるけれど、「これは事実だ!」と言い切る陪審員と同じようなことを自分も普段からやっていないか?と思ったりする。

そして最後まで有罪を主張していた陪審員も、事実を主張しているつもりが自分の価値観や思い込みだったことに、意見を吐き出すことで本人が気づいていく。

感情的な状態では話し合いは進まないけれど、感情を出し切ると話し合いが進む。

有罪派と無罪派の単純なディベート対立にしたら、全員で意見を一致させることはできなかったと思う。

そして、観客の私もこんなに引きつけられず最後まで見ていられなかったんじゃないか。

「話し合い」ってこういうことなのか〜と、とても大事なことを目撃しました。

いやぁ…おもしろかった!!
富田社長、お誘いくださり本当にありがとうございました!
映画「十二人の怒れる男」、そして次回のゴツプロ公演も観てみたいです^^

それではまた!

上杉惠理子


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