上杉惠理子のこと

書くよろこび

こんにちは。上杉恵理子です。

昨日2023年4月16日、毎月一回通ってきたエッセイ・随想入門講座が12回目でした。つまり、ちょうど一年経ちました。

毎月一回の講座の日に向かって、一本のエッセイを書いて提出、講座の中で先生がコメントを添えてくださいます。出せなかった月もあるので、この一年で10本ほど自分で書いたエッセイがたまりました。

エッセイとして何をどう書いてきたのか、文字で説明するよりも読んでいただく方が伝わると思うので、ここに2本公開します。

よかったらお読みになってみてください。

不合理と合理
https://drive.google.com/file/d/1Gp19DWxek60VdZuxks8kDra584Vv55-O/view?usp=sharing

人生の解釈
https://drive.google.com/file/d/1aGG80EUk6tib9nRnQt8w-pGFqPfuyFqb/view?usp=sharing

御指南くださるのは、批評家・随筆家・詩人の若松英輔先生。

NHK100分de名著で何度も指南役を務めていらっしゃる方で、2023年4月は「新約聖書 福音書」を解説されています。

先生が書かれる言葉、お話される言葉が美しく大好きで、ここ3年ほど私が一番ハマっている書き手さんです。 

先生はエッセイとは何か、いつもさまざまな言葉で伝えてくださいました。

エッセイは、言葉で絵を描く試み

エッセイは、経験から言葉にならないことを描く試み

エッセイは、見えない読者に向かって書き関係を築くこと

エッセイは、書くことで思いを超え、自分と深く繋がること

 …

先生の言葉に導かれながら… 今まで書いてきた文章とは違う、また別の「書く」ことの意味とその力を感じています。

エッセイを書くことで、数年前から始めた「自分と向き合う」ことを、また違う角度から行っている気がします。

エッセイを書きながら、言葉に書きえない光景や感覚を捉える練習をして、自分の感覚を広げようとしている気もします。

嬉しい、悲しいなど形容詞に頼らず、改行の行間にも甘えず、言葉で書き切る鍛錬もしています。

探究と探求、吐露と告白など、似た言葉の繊細な違いをイメージのレベルで捉え直す試みにもなっている。

さらに、モンテーニュ、川端康成、フロム、リルケ、シュタイナー、フランクル、井筒俊彦、白川静、東山魁夷、池田晶子… 哲学者・作家たちの言葉に助けてもらいながら、人類の普遍性と世界の不思議を探究する時間も過ごしています。

『本を読めなくなった人のための読書論』(若松英輔著/亜紀書房)に詳しいのですが、「書く」と「読む」は呼吸のような関係。

息を吸って吐くように、「読む」と「書く」は同じ分量でやったほうがいい。

本を読みたくても読めなくなったら、書きなさいと。読んでばかりでは、読めなくなると。

書くことは特別な人の行為ではなく、全ての人間に書くことは開かれているとおっしゃいます。

その意味でエッセイは、誰でも書くことを始めるにぴったりの文体だと思いました。

私が普段書き触れる文章は、「誰が書いたか」がとても大事でした。

誰が書いたか/語るかで、文章への信頼が生まれる。それもあって私は実名で書いてきたわけです。 

ですがエッセイで、誰が書いたかのバックグラウンドは不要です。このエッセイ講座でも、一切名前を伏せて、全員の作品をシェアしました。

事務局の方は誰が書き提出したのかご存知ですが、先生も誰がどれを書いたのか知らない中で読みコメントをくださいます。

講座の中で、お互いの自己紹介もしません。受講生同士、挨拶程度のお話はしますが、普段何をしていてどの作品を書いたのかお互いに知らない。

誰が書いたかわからない。あの人が何者か知らない。

だからこそ、安心して書けるものがあり、伝わるものがあるのだと、このエッセイ講座で初めて体感しました。

とても貴重で、心地よい時間です。

講座は半年ごとの募集で今月までが第2タームでした。

今月で最後かなぁ寂しいなぁと思っていたら、来月から第3タームが始まることになりました。本当に嬉しいです。開催くださりありがとうございます^^

月に一回、先生のお教室に向かいお話を伺うことは、たぶんキリスト者の方が教会に通い、牧師さんのお話を聞きに行っている感覚に近いのだろうと思います。

商業出版と別の軸で、いつか自分のエッセイ集を自費出版で編むことがひとつ叶えたいところ。そのときは先生にも一冊お渡ししたいな^^ (もうラブレターですねぇ笑)

自分の幅を広げ、自分を深め、世界と繋がっていく方法として、エッセイに出会えて今ものすごく幸せです。

上杉惠理子


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