こんにちは!
上杉 惠理子です。
昨日は半蔵門にある国立劇場に
文楽を見てきました。
文楽(ぶんらく)
をご存知ですか?
日本の伝統芸能の一つで、人形劇です。
舞台上で、人形遣いさんが3人で1体の人形を動かす。
舞台右手に太夫(たゆう)という話し手と三味線の方がいて、太夫さんがセリフやストーリーを語っていきます。
文楽は、江戸時代の関西で生まれ、大阪の町で大ヒット!
近松門左衛門の作品で町人と遊女が心中する話「曽根崎心中」はみなさん、歴史の授業で聞いたことがあると思います。
「曽根崎心中」は当時人気すぎて心中が流行り、幕府が上演禁止にしたほど!!
そんな文楽でしたがだんだんと下火になり、昭和まで細々と続いてきたところ大阪よりも東京の人が文楽の魅力を再発見し、最近は東京でかなり人気が復興しているそうです。
…とモットモラシク書いていますが、、
実は私、「文楽」という言葉を聞いたことがあるくらいで昨年まで全くご縁がなかったのです。
昨年初めてお誘いいただいたときは「私、寝ちゃわないでしょうか…」と思わずお返事したほど。
「絶対におもしろいから!」とオススメいただき行ってきました。
昨年は近松門左衛門の曽根崎心中含め3作品を見まして、
今月は
心中宵庚申
女殺油地獄
の2作品を見てきました^^
私はまだまだ文楽初心者ですが、こんなに文楽っておもしろいんだ!!と、今回も思いました^^
本当におもしろい…!!
今日は私が文楽はここがおもしろい!と思ったポイントをまとめてみました^^
人形たちの小物使いがおもしろい
舞台上では
人形が演じているのですが
一つの人形を3人がかりで
動かします。
ヨーロッパの人形劇は
上から紐で吊るして動かしますが
日本の文楽の人形は
人形の右手側、左手側、
そして後ろから足を動かすのと
3人で動かします。
この人形がよく動く!!
腕を着物の袖から抜いて
懐に入れていた手紙を掴み
袖に手を通して出す とか。
そんなことも人形が
できちゃうんだ!!
太夫さんの表情がおもしろい
文楽では人形を動かす
人形遣いは
しゃべりません。
舞台右手に
太夫(たゆう)という話し手と
三味線の方がいて
セリフも状況説明も
太夫さんが三味線の音色とともに
語っていきます。
しかも、
太夫さんは基本一人で。
男も遊女も
おばあさんも子どもも
一人で何役も
1幕あたり
30分ちょっとでしょうか。
休みなく、マイクなしで
語り続けます。
太夫さんの話し方も
おもしろいのですが
表情も注目です^^
太夫さんの表情が
おもしろいほどよく動く!!
顔筋全部使っていました^^
大阪のリアル話であることがおもしろい
江戸時代に
大阪の町で流行った文楽。
文楽の作品には
大きく2つのタイプがあります。
歴史上の人物を主役にした
ヒーロー物。
私が昨年見た作品の1つ目の
「平家女護島
(へいけにょごのしま)」
は、平家物語がベースでした。
もう一つが
「世話物(せわもの)」
と言われる
大阪の町で起こる人情話。
その世話物の最初が
「曽根崎心中」でした。
実際に町で起こった
心中事件をもとに
近松が作品を書いたところ
当時、大ヒットしたそうです。
ヒーロー物よりも
俄然、世話物の方が
おもしろい!!
と、私と同じように
当時の大阪っ子たちも
思ったことでしょう^^
江戸時代の大阪を
舞台にした世話物は
大阪の地名がわかると
一層、リアルに感じます。
大阪の地図を見てから行くか
大阪の地理に詳しい人と
ご一緒するのがおすすめ!
誰が主役かわからないところがおもしろい
歌舞伎にしても
ミュージカルにしても
一番の主役は
舞台で演じる役者さんですよね。
ですが、
文楽の場合
人形が主役かと思うと
幕が上がるとまず
太夫さんと三味線の方
が登場し
「努めまするのは…」と
二人のお名前が紹介されます。
人形遣いさんは
主遣い(おもづかい)という
人形の右手を遣う人は
紋付袴姿で顔を見せますが
凛と表情は変えません。
他の人形遣いさんは
黒い頭巾を被っています。
太夫
三味線
人形遣い
誰が主役ともなく
3者が三角形を作り
バランスを保つことで
文楽という作品が
できている。
そんな印象でした。
だからこそ文楽は
見所がいっぱいあります。
今日は人形を
しっかり見ようとか
今日はストーリーや
太夫さんの言葉をよく聞こうとか
今日は三味線に
いつもより意識を向けながら
観てみようとか
同じ作品を
何回見ても楽しめる
むしろ
1回では見切れない!!
一般町民の娯楽だったからおもしろい
江戸時代の大阪っ子が
大好きだった文楽。
つまり、
一般町民の娯楽でした。
観に行った人は
舞台の前にゴザを敷いて
膝を抱えながら座って
大笑いしたり
泣いたりしながら
文楽を見たのではと想像します。
昨日見てきた
「女殺油地獄」なんてもう
江戸時代の
火曜サスペンス劇場です!!
これすごいタイトルですよね…^^;
大阪の街の油屋さんの
ダメ息子をめぐる物語でした。。
映画にもなっているので
ご存知の方もいらっしゃるかも??
文楽は今は伝統芸能の一つで教科書に載っていますが
そんなカタッくるしい
ものではなかったのです。
そう考えると文楽は、歌舞伎や能よりも落語に近いものがあります。
私たちが文楽の劇場に着ていく着物も、小紋や紬がいいなと思いました^^
文楽の舞台から当時の人たちの暮らしや息づかいを感じます。
そこには今の私たちと変わらない
人間ってダメなところも
素敵なところもあるよなぁ
という何か人としての本質を伝えてくれているように思います。
江戸時代に生きた人たちと
感性を共有できる時間
それも文楽の魅力だと思うのです。
文楽は歌舞伎よりも落語よりも知名度がありません。
それでも文楽に魅了され文楽を守り、伝えていこうと一生を捧げている人たちがいます。
私のこの記事をお読みになったことを機会にして、ぜひ一度文楽をご覧になっていただけたらとてもとても嬉しいです^^
▼国立劇場HP
http://www.ntj.jac.go.jp/kokuritsu/h30/bunraku_2.html
上杉 惠理子
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