こんにちは。
上杉惠理子です。
2016年私のマイベストBOOKの一冊だった小説『花戦さ』が、映画化され、観に行ってきました。
『花戦さ』の舞台は戦国時代。
織田信長が本能寺の変で、討たれるところから始まります。
『花戦さ』の主人公は、池坊専好。
華道の池坊の当時の当主です。
池坊は、いけばなの理念を作った「いけばなの根源」と呼ばれています。現在、いけばなには多くの流派がありますが、根源である池坊は、「流」「派」をつけず、「華道家元池坊」と呼びます。
六角堂のお寺の住職である専好さんが、毎朝お寺に生ける花は京の町の人にとって日々の楽しみ。テレビはもちろん娯楽も少なく、戦国の世で戦乱や病気で人の命が軽かった時代において、専好さんのお花は最高のエンターテイメントだったのです。専好さんは戦国大名の城に呼ばれ、花を生けることもあるほどの人でした。
この専好さんと同時代を生きたのが、茶道を確立させた千利休。
華道の池坊専好と茶道の千利休
この二人の友情が『花戦さ』の物語の大きなテーマです。
分野は違えど、芸術を追求する二人の考え方、行動、人間としての在り方に思い通じるところが多くありました。
ところが千利休は、豊臣秀吉に抱えられたものの、最後は秀吉の命で切腹させられます。
大切な友人を失った池坊専好がとった行動とは。
それが物語のクライマックスになります。
この小説が、超豪華キャストで映画化され2017年6月3日に公開。期待いっぱいで映画『花戦さ』を観てきました^^
実は、原作と映画、楽しみ方が全く違いました!!
特にストーリーや人物像がかなり違っていてこんなに変えちゃって、原作者さんは大丈夫でした!?と思ったほどでした。
小説『花戦さ』と映画『花戦さ』
大きな違いをまとめてみました。
原作と映画の違い一つめ
まずは映画だからこその魅力は、驚きの豪華キャストであるコト。
主演の池坊 専好役の野村萬斎さんを中心に
千利休は佐藤浩市さん
秀吉役は市川猿之助さん
信長役は中井貴一さん
前田利家に佐々木蔵之助さん…
超豪華布陣!!
佐藤浩市さんは、出演オファーへのお返事が一番遅かったそうです。
お父様の三國連太郎さんの代表作に千利休役があったので、ご自身が受けていいだろうかと葛藤があったとのこと。
そして、映画だからこその魅力は、池坊の方々が全面協力されたという素晴らしい生け花作品の数々!
私は生け花の経験がないので、小説を読んだときに花を生けている絵があまり浮かばなかったのです。
しかも、生け花って剣山に花の茎をさして…というイメージだったのですが
松を生ける とか
6人で抱えるほどの砂鉢を用意した とか
『花戦さ』には、とっても大きな生け花作品が出てくるのです。
小説を読んだときにはどういうコト!と思っていたので、映画でその映像を見て、生け花の世界を堪能できました^^
原作と小説の違い二つめ
小説ではしっかり登場するのに、映画では全く出てこなかったキャラクターがいます。
専好と千利休、それぞれの妻です。
出てこないで終わっちゃった!!
小説での専好は
千利休への友情と
池坊という組織と
そして自分の家族と
この大切な3つの間で思い悩むのですね。
小説ではそこでぐっとくるのですが、映画ではバッサリと外し別のヒロインが登場します。
これでこんなにもお話が変わるものなのだなぁ、とキャラクターの重要性を感じました。
原作と小説の違い三つめ
このお話のクライマックスは、時の権力者である豊臣秀吉の乱心に、刃ではなく、花をもって専好が仇討するのですが
ラストが違うのです…!
秀吉がぎゃふんという理由が、小説と映画で違うのです!!
映画は野村萬斎さんが専好役なので、萬斎さんの魅力が全面に出るようにこの脚本になったのだと思います。
菖蒲には菖蒲の
蓮には蓮の
赤には赤の
金には金の
黒には黒の
それぞれに
美しさがある
萬斎さん演じる専好さんがゆっくりと語ります。むちゃくちゃかっこいい!!
…ですが、原作は違うのです。
この原作のラストがまた素晴らしい…!!
演じる人が変わり、1冊の小説から2時間の映画になることで、同じテーマでもこんなに変わるのかと驚きの展開でした。
小説、映画、それぞれに魅力がありました。
『花戦さ』ぜひ小説と映画それぞれぜひご覧になられてください ^^
華道や茶道など、和の文化とは何か考え方から学ぶ入門書としてもわかりやすくておもしろくて最高です。
上杉惠理子
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